家に焚き火がある楽しさ【ペレットストーブのメリットデメリット】

 どうも!appeです

 

 

前回の記事では ペレットストーブとは何か?ついてお話ししました。

 何だそれ?と思った方。めんどくさそう...と思った方もいらっしゃるかな。 ますます興味が湧いちゃったよ、という方がいらっしゃったら嬉しいなあ。

 

そこで今回は、10年使ってみた私が考えたペレットストーブのメリットとデメリットについて赤裸々に語っていきたいと思います。

 

 

それでは、いってみよ!

 

私が考えるメリット

私が考えるペレットストーブのメリットは以下4つ。みなさんはどうお感じになるでしょうか?

 

1 炎には効果がある



ゆらゆらする火を見ると、ホッとします。

電気のあかりを見たり、料理をしているガスレンジの火を見てホッとすることはないですよね?でも、炎をぼーっとながめるとホッとします(断言)

 

 

人類は夜間の明かりも、煮炊きも、ほぼ安全に思いのまま制御できる文明を手に入れた代わりに「揺らぐ炎を眺める」という時間を手放してしまいました。

 

 

しかし、人類史というものを考えるに、ゆらぐ炎を眺めていた期間はとてつもなく長いのです。電気や電灯やガスレンジというものを使用するようになったのは、たかだか100年。

 

 

我々の祖先は80万年前から寒い時、暗い時、食べる時、動物を追い払う時、戦う時、そして祭祀の場でゆらぐ火を見つめてきました。

 

 

管理された炎がある場所は、人類にとって安心できる場所。炎を見るとホッとする、これはもうDNAに刻まれた記憶であると言えるでしょう。なんかわからんけどホッとしますよ。

 

 

暖炉より手軽に焚き火ができる

ペレットストーブではマシュマロ焼きはできませんが


ペレットストーブは暖炉や薪ストーブより手軽な焚き火と言えます。

 

暖炉のために薪を準備するのは大変な作業です。もちろん、トンで買うこともできますが、そんなにお安くはないみたいです。


東京都心部ではなく、都市近郊に住んでいて、大きな公園や裏山から伐採枝などを無料でもらうことができる環境に住んでいるとしても、冬の間の薪の調達、薪割り、乾燥は大変な作業です。

 

 

また、薪置き場・薪小屋のスペースもかなり場所を食います。

 

 

薪集めと薪割りが趣味でストレス発散なら楽しく生活できると思いますが、仕事が忙しかったり別の遊びがしたかったりする場合は「今年は火を入れなくてもいいか〜」となることでしょう。

 

ひと冬にどのぐらいの量の薪が必要かは地域と家庭によって違いますけど

 

その点、ペレットは業者に注文すれば袋入りのペレットが届くので、燃料の心配をする必要はありません。

ちなみに我が家では1ヶ月単位で注文し、駐車場のスペースを取りすぎないようにしています。

 

 

3 消費電力量がエアコン暖房より少ない

エアコン暖房を稼働するとなると、電力消費量は1000Wを超えますが、ペレットストーブを稼働させるために必要な電力は70Wほど。性能のいい扇風機と同じぐらいしかありません。

 

 

先日、ためしにポータブル電源(上限600W)につないだペレットストーブが稼働するか試してみましたが、全く問題なく稼働しました。

 

 

(これは停電になっても動かすことができる、ということですが、ポータブル電源ありきの話なので、災害時に強いわけではなさそうです。)

 

 

電気代が安くても、ペレット買う必要があるやろがい!トータルで考えたら高い!と言われたらそれまでですが、電気使用量のみで考えると、間違いなく安いと言えるでしょう。

 

 

4 広い範囲が温まるまでの時間が薪ストーブより短い

 

薪ストーブは火が安定して、ストーブ全体が温まった後、輻射熱で周りの空気や物がじわじわと温まっていきます。

つまり、火をつけてすぐに暖かくなるわけではない(らしいです。)

 

しかしペレットストーブは先程説明した通り、熱効率がよい「木を使ったファンヒーター」です。

 

着火した後に温風が吹き出しますので、薪ストーブに比べると、広い範囲が暖かく感じるまでの時間が短いと言えます。

 

 

 

5 温風がやわらかい(全く乾燥しないわけではないけどね)

 

ペレットストーブから吹き出す温風は、エアコン暖房やファンヒーターのそれより、なんか柔らかい感じがします。

 


全くもって個人的な印象でしかなく、数値化できるものではないのですが、なんか柔らかい感じがします。

 

 

残念ながら「なんだか電気を使うより自然っぽいしエコっぽいし人体に良さそう!」という期待に是、と言うことはできません。

 

 

あくまで温風が吹き出す装置ですので、長時間焚いていると乾燥してるなあ、と感じますが、

 

エアコン暖房で感じる乾燥とは違って、まさに「焚き火で炙られた」乾いちゃった感じ、あの鬼火焚きやキャンプファイヤーで感じるような感覚とでも言いましょうか(長い時間ペレットストーブの横にいた場合。距離があると全く感じない)

 

 

ペレットストーブを冬季だけではなく、梅雨時に最小火力でまわすと、ジメッとした部屋がなんだか快適に感じられる・・・そういった側面もありますね。

 

 

私が考えるデメリット

物事にはメリットだけではなくデメリットがつきもの。包み隠さずお話していきます!

 

 

1 値段が高い

はっきり言って、ペレットストーブは高いと思います。

ちょっと興味をもって検索したらすぐにわかると思いますが、安くて20万円代、ヨーロッパ製のものなら50万円以上します。

 

非エアコンである暖房機器の石油ストーブや石油ファンヒーターは、高くて4ー5万円で手にいれることができますが、ペレットストーブは10年使用してようやく「元をとった」感が出てきます。

 

2 燃料を手に入れにくい

燃料が手に入れにくいと感じることもあるでしょう。

エアコンなら家のコンセントに直結していますし、石油ストーブやファンヒーターに使用する灯油なら、どんなに化石燃料の消費に後ろ向きであろうと、近所のホームセンターやガソリンスタンドや田舎の米屋や雑貨屋で簡単に手に入れることができますし、今後しばらく現状の変更は無いでしょう。

 

日本中に配送網が完備した現在は、長野群馬別荘地帯に在住していなくても、木質ペレットを配送してもらうことができますが、家のすぐ近所で、手軽に「あっ、買い忘れてた、ペレット買って来よう」っていうのはできないと思います。

 

3 工事をする必要がある、場所の移動ができない

こんな感じの給排気穴が家の外壁に。煙突スタイルにする人もいる

ペレットストーブ設置するのには業者による工事が必要です。

これは燃料を完全燃焼させて熱効率をあげるため、室内に排気させないためで、家の壁に穴を開けて、給排気坑を取り付けないといけません。

 

 

はっきり言って、この工賃も安くはないです...

それでも、鋳物の薪ストーブの購入、台や背面の断熱工事、煙突設置工事費用に比べると「まだいい」と思います。

 

そして、一度設置したら石油ストーブやファンヒーターのように場所を移動することができません。

ペレットストーブは電気をちょっと使用した暖炉、みたいなものなので、一度設置したらその場所を変えることができません。

 

4 ペレットはかさばる。置く場所を設定する必要がある

うちは横浜の業者に定期配送をお願いしてる。



予備の
ペレット袋を置く場所が必要です。

別荘みたいな作りの家に住んでいる方、必要な1袋をまめに注文する方は別ですが、結構かさばるので、家の中にペレット袋を積んでおくことはできないと思います。

 

 

大抵の場合は、家のガレージや軒下のちょっと雨避けがある所に置いておく必要があります。

 

 

エアコンはコンセント直結しているからこういった問題ないですよね...灯油タンクを家に常備している北国の方は、どこに、いくつぐらい置いているんでしょう?うちのペレット袋と同じレベルなのでしょうか、それとももっとコンパクトなのでしょうか。

 

 

5 燃料費が安いというわけではない

我が家が購入しているペレットは10キロで800円しないぐらいの価格(配送費込み)

これを1ヶ月で10袋使用します。1月~2月は10袋だと心もとないなあ、という感じがしますね

関東太平洋沿岸部ではない場所にお住まいの方はもっと大量に使用されるでしょう。

 

 

我が家では灯油ストーブの暖房をメインにしたことはないので、比較することはできないけれど、3年ぐらい前に「灯油による暖房とだいたい同じぐらいの価格」である、という試算をされている方のブログを読んだことがあります。

 

 

その頃はロシア→ウクライナ侵攻がなく、石油価格は今ほど高くなかったので、今はペレット暖房の方が安くなっている可能性があるかも。

 

 

ちなみにペレット価格ですが、生産地に近ければ近いほど安くなりますし、楽天経済圏の方は、我が家より上手にペレットを購入することができるかもしれませんね。

 

 

6 暖房にしか使えない。エアコンは1台で冷暖房ができる

ペレットストーブは暖房にしか使用できません。

(煮炊きができるペレットストーブもありますが、冷暖房に関する話で言うと、暖房のみです。)

 

夏も冬も稼働できるエアコンと違いますので、4月から11月はただの箱、置物です。

 

 

エアコンは1台で年中使用できますが、ストーブができるのは、暖めること、そして湿気をとることのみ。これをデメリットであると考える方も多いでしょう。

 

 

7 毎日の手入れが面倒になる日がある

ペレットストーブの着火について説明した通り、毎日のちょっとした手入れと、更にシーズンごとに少々手の込んだ手入れが必要になります。(スイッチひとつで着火できるタイプのペレットはこの限りではないかもしれない)

 

これを面倒だと感じることは確かにあるんですよね。誰だって調子がいい時、悪いときがあるものです。あーめんどくせ、と思う日もありますね...

 

 

8 稼働に電気が必要

暖炉や薪ストーブ、石油ストーブは電気が不要な暖房器具です。しかしペレットストーブは扇風機なみとは言え、稼働に電気を必要とします。

 

 

東日本大震災以降、防災を目的として電気を使用しない石油ストーブを持ち続けている、という方もいらっしゃると思いますが、ペレットストーブはそういう意味では「使えない」アイテムかもしれません。

 

 

それでもペレットストーブ生活楽しんでるよ

ここまでペレットストーブのメリットとデメリットをappe視点でお話してきました。

 

メリットは...

  1. 炎には効果がある
  2. 暖炉より手軽に焚き火ができる
  3. 消費電力がエアコンより少ない
  4. 薪ストーブより、広い範囲が温まるまでの時間が短い
  5. 温風がやわらかい

デメリットは...

  1. 値段が高い
  2. 燃料を手に入れにくい
  3. 設置するには工事が必要
  4. ペレットがかさばるので、置き場が必要
  5. 燃料費が安いわけではない
  6. 冷房能力はない
  7. 手入れが面倒だと思う日がある
  8. 動かすのに電気が必要

 

ここまでメリットデメリットを見て、皆さんはどうお感じになったでしょうか?

 

 

10年間使ってみた私の結論は、ペレットストーブは家に暖炉または薪ストーブが欲しい人が代わりに設置する趣味の暖房器具である」です。

 

 

でも、人によっては面倒くささを補って余りある満足を得ることができるアイテムです。

 

 

だって私、「ちっ、面倒くさいな」と思うことはあるけれど、別にこれでいいと思ってますもの。
「今年も冬が来たなあ」って思いながら、いそいそとペレットの定期配送の申し込みをしますもの。

もしこれが10年後に壊れたら、もう1回ペレットストーブを設置してもいい、って思ってますもの。

 

興味がある人はとりあえず実機を見てください。その上で導入できるか否かを判断してみてくださいね。

 

最後に、ペレットストーブの色々な特性を考えた上で、私が考える最も効率がよい設置は、

 

高気密、高断熱仕様の最近の住宅に、輻射式ペレットストーブを設置し、ストーブの上にヤカンかけることができる(小豆とかおでんとかシチューとか煮込み料理もできる)という設置スタイルですね。

 

 

これだと燃料費も少なくて済むし、より「家中に手軽に炎がある冬季の生活」を楽しむことができるスタイルであると思います!

 

 

来冬も炎生活を楽しみましょう。それでは!